This site is a comprehensive movie website about movie posters, trailers, film reviews, news, reviews. We provide the latest and best movies and online film reviews, business cooperation or suggestions, please email us. (Copyright © 2017 - 2020 920MI)。EMAIL
犯人に告ぐ Comments (20)
トヨエツ節がさくれつしているので、トヨエツ目当ての人にもお勧め。
映画「犯人に告ぐ」(瀧本智行監督)から。
最近「禅語」に興味があるからか、
ストーリーよりも、小道具と言うべきか、
掛け軸や表装された額などに書かれて文字が気になる。
主人公の配属それた警察署の部屋に飾ってあった額に
「拙其養」の文字発見。
たぶん「養其拙」という言葉だろうと見当をつけて調べたら
「養其拙」其の拙を養ふ(その素朴さを養う)
「拙」はつたない、という意味で、
飾り気のなさ(気持ち)を養う、という意味があることを知った。
素朴な心を持ち続ける=上手く世渡りしない、と解釈すると、
この物語の主人公の気持ちに合致して、この作品の根底を流れる
制作者の想いが浮かび上がってくる。
画家がちょっとした遊びで、自分を絵画の中に登場させるように、
たぶん、監督もさりげなくこの作品の中に、その想いを登場させた、
そう考えてもおかしくない。
こんな視点で、映画やドラマを観察するのは、とても楽しいし、
それを発見した時、私の心の中で「み〜つけた」と叫ぶ喜びがある。
これからも、こんな視点で映画を観続けたい。
豊川悦治演じる主人公のキャラは現実味が無いとしても
脚本家は中々ひねったアイデアで勝負している。
犯人を追いつめるディテールは迫力があり
展開も面白い。
ただ、その分落ちや今後の展開を匂わす
最後は少し中途半端だったかも。
地道な地元警察の捜査とそれを手柄や出世の
道具としか見ない官僚主義。
まさに手柄は上司、落ち度があれば部下の
責任と言う巨大官僚組織の腐敗ぶりを
描いては有るが、テーマが犯人との
駆け引きに絞った方が良かったかも。
内部の暗躍が絡むとテーマがぼける。
配役は可もなく不可もなくベテランが
脇を添えていてドラマとしては
完成度が高いが映画として観ると
どうなのか?
ドラマの延長感がぬぐえず、
もう少し良く仕上れたのに残念。