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クィーン Comments (20)
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 65
明治維新後の不安定な国体維持のために、日本を統治する神として祭り上げられた天皇。日本の象徴となった今でも皇室は尊敬を集め、それを侮辱するのは人格を疑われる行為としてみなされることが多い。
しかし欧州では昔から王室はゴシップの対象として面白おかしく市民の関心を集め、時には皮肉や批判の対象として比較的自由に扱われてきた。尊敬の対象というよりも、もしかすると芸能人やセレブに近い対象かもしれない。
そのような中で英国王室以上に人気があったダイアナとその反対勢力と見られていた王室と女王。ダイアナの死は女王に苦悩をもたらすことになる。女王は国家と国民と王室に責任を負っているので、自分の感情よりもそれらを守るためにどう動くかが優先される。日本にいるとあまり情報の入ってこないというか関心を持たれない部分ではあるが、そのような女王やそれを取り巻く人々の立場を描いているのが新鮮な見方でよい。立場とそれに伴う義務の重さを感じられる。
正直どこまでがフィクションか真実かなどわかりはしない。しかしある程度ここに描かれたことはあり得そうだなと思う。たとえ真実でなくても、このような立場でこのような市民の反応が起きれば大変だろうし、自分ならばどうするかなという想像をしながら見ても面白い。
しかし、イギリスの象徴でもあるエリザベス女王。映画俳優やミュージシャンが「サーの称号を与えた」などとニュースを聞くたびにエリザベス女王を思い出すのですが、「神と国民に仕える」などと言われると、王制は残しておくべきなどとも思ってしまいます。労働党党首でもあり、革新的なトニー・ブレアなどとも訳されてましたけど、ブッシュと一緒にイラク戦争に加担している人物なので、映画では最初から胡散臭かった。要するに女王を擁護して、何かと利用しようとしている狡賢い奴にしか見えないので、ストーリー的にものめり込めませんでした・・・
そんな中でヘレン・ミレンとジェームズ・クロムウェルの演技はさすがに良かったです。特にヘレン・ミレンの歩く姿は完全に本人になりきっていた(とは言っても実物の女王はよく知らない)。森で牡鹿と邂逅するシーンも素晴らしい演技でした。「逃げなさい」と伝えようとする優しい心を感ずるものの、あれだけ立派な角を持った鹿なんだから、ダイダラボッチかもしれないぞ!と安心して観てしまいました。鹿の首が・・・
Her Majestyとかdignityという言葉が耳に残ります。そういえば、ポール・マッカートニーもサーの称号を受けたんだっけ・・・などと思い出しながら、エルトン・ジョンの姿を発見したり、スピルバーグやトム・ハンクスを発見できたのも楽しかった。残念なのはエルトンがダイアナ元皇太子妃への追悼として歌った「Candle In The Wind」が聴けなかったことだ・・・
〈2007年4月映画館にて〉
97年当時、イギリス留学中だったので、当時の宮殿の前の状況や
国民の大混乱は凄く印象に残っています。
でもダイアナ妃の死後、なぜ女王陛下がすぐにロンドンに戻って来なかったのか、
良く分からなかったんですよね、当時の自分には。
(帰ってこないゾ、って騒がれていることだけかろうじて理解していたけど)
その背景が、12年経った今、やっと少しだけ理解できた気がしました。
あの事故の後の1週間が女王を首相のやり取りを中心として、
当時の映像を交えてドキュメンタリーのように描かれています。
すでに王家の人間ではないから、と考える王室と、
ダイアナを悲劇のヒロインと見る国民のギャップ。
それに気付いていない女王と、なんとかそれを理解してもらおうと
奔走するトニー・ブレア(とチャールズ皇太子…陰が薄いけど…)。
1週間に色んなことが起こっていたのですねぇ。
女王様って大変、首相もなんか中間管理職みたいで大変。
税金でご飯食べるってのも、ラクじゃないって思います。
ヘレン・ミレンは女王そのもの、って感じ。素晴らしいです。
トニー・ブレアとシェリー・ブレアは似てるんだけど
どことなく「そっくりさん大集合」的雰囲気が漂うので
ちょっとだけマイナスにさせてもらいました。(笑)