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クィーン Comments (20)
この作品の演出のポイントとなっているのは威厳とプライドの行方です。威厳こそが国民のためのイギリス王室である、と思いを大切にしようとしたがために、ダイアナの事故死から時が経つにつれて国民の信頼を損ない、プライドが崩れていく、その様子が王室内部と政府側の両方の視点からゆるぎなく描かれていることが、この作品の質を高みへと導いています。
その威厳が描かれているシーンが、大鹿を目の前にした女王の姿でした。その鹿の美しさに涙をし、後にその鹿が王室の家族たちの手によって撃たれたことで女王がうけた衝撃は、まさしく王室の威厳が崩れ行く様そのものであり、イギリスが序々に王室のものではなくなっていることを現していて、王室の深部へも鋭く切り込むような、画期的な演出に思えました。ややフランクすぎる王室内の会話や、ダイアナの存在の大きさが描ききれてないのには、やや不満が残りますが、誰もが知る史実の内側に入り込んだこの作品は、今後の実話もの映画の指針になった意味でも、ここ数年の映画界の中で重要な位置を占めたと、私は思っています。
そして、何よりこの作品の軸となったのは、言うまでもなくこの作品でアカデミー賞主演女優賞をゲットした、女王役のヘレン・ミレンの演技です。
威厳があるのにどこかナイーブな、どこにでもいるような女らしい一面を併せ持つ女王の真実(かもしれない)姿を見事に演じきっているのは、特筆すべきでしょう。
それにしても、こんな作品が造られるイギリスて、すごいですわ。日本じゃ考えられない。雅子様をモチーフにした映画なんて、百年経ってもできそうにないですものねえ。
素晴らしい演技の俳優陣に加え、本物の宮殿を使用したこの映画は、まさにロイヤルファミリーそのものを映し出しているようでした。
派手な演出がないのがかえって、リアリティを感じました。
クィーンは寡黙ですが、親しみやすい首相が国民感情、夫のフィリップがロイヤルファミリーの心情を話すので、とても分かりやすいです。
クィーンは冷たいのではなく、英国の伝統を国民のために大切に守っていることがよく分かりました。
この映画はダイアナの事故後を舞台にしていますが、納得出来るだけのダイアナの魅力は伝わらなかったのは残念です。
この映画はゴシップを簡単な知識としてしか入れていません。
ダイアナとエリザベスの間に確執があったと言われていることやカミラの存在など、基本情報しか話さず、それ以上掘り下げなかったのが、いい点でもあり、物足りないと感じる点だと思います。
ラストにかけてクィーンが変わっていく様子がおもしろかったです。
中でも首相とクィーンの会話が印象に残りました。
クィーンが国民感情に傷ついてたり、凛々しさの裏にある苦悩が感じられてよかったです。
<字幕>
時間が経つごとに、「本当のエリザベス女王も、本当にこんな感じなのでは?」。
女王役のヘレン・ミレンさんは、「ああ、本当に女王様がいる!」と思わせてくれます。エリザベス女王と顔が似ているわけでもないのにね…。。
何かのインタビューで、ミレンさんは「エリザベス女王に会ったことも無いから、わかるわけない。だから、こうだろうなと想像するしかなかった」という意味のことを言っていました。
数年後、サッチャー首相を演じたアメリカの女優さんが、結局はアメリカ人であること、そしてハリウッドの雰囲気を消せなかったのとは大違いです。(気に障る方も多いかと思いますが、個人的な感想です。また、ハリウッドの雰囲気は、女優さんには全く責任ないかも。とにかく、わたしは違和感を感じましたので、ご容赦願います。)
個人的に笑えたのは、そっくりさんが演じておられたブレア首相夫妻と、その子供達。夫人が「お皿!」と発言する場面、家族一同がそろった朝食の場面では、誰でも思い当たることがあるのではないでしょうか。
いろいろと印象的なシーンがあり、どれもが心に残ります。
この映画の女王さまは、日本的に言っても、古風な精神の持ち主です。
ダイアナさんに興味の有る無しに関わらず、「観てよかったな」と思える映画です。
先日は『ブーリン家の姉妹』も見たが、どちらの作品も、イギリス王室制度について私たちの知られざる事情がよく分かる内容になっていて、イギリスの歴史についてもっと知りたくなった。
偶然にも今日はエリザベス女王2世83歳の誕生日。20代で即位して約60年。映画を見て彼女への見方が変わった気がするのは私だけではないはずだ。