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透明人間現わる Comments (2)
Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
特殊撮影に東宝を公職追放された円谷英二を迎え、大映京都撮影所が神戸を舞台に製作した戦後初の和製本格的トリック映画(当時まだ特撮という言葉は無かった)。
1933年製作のアメリカ映画「透明人間」を研究した円谷英二は、同作に使われた技術を応用して、秀逸な特撮シーンを演出しました。特にオリジナル版には無かった、透明人間がタバコを吸うシーンが当時話題になったとか…。
ストーリーは原案に推理作家の高木彬光が関わっているだけあって、オリジナル版よりも面白かったです。宝石“アムールの涙”を狙う透明人間と、その黒幕を追う刑事たちの捜査ドラマが加わって、エンタメ度がパワーアップしていました。悲劇を導くメロドラマ部分は、オリジナル版の要素を踏襲していた分しっかりとしていただけでなく、独自のアレンジも加えられており、より透明人間の悲しい末路が強調されていました。
科学技術への警鐘は、特撮映画の伝統なり。
【余談】
ラストで突然苦しみだし、須磨の海に没した透明人間…。
なんで苦しみ出したのか皆目分かりませんでした…。
「科学に善悪はありません。ただ、それを使う人の心によって、善ともなり、悪ともなるのです。」
メッセージ性抜群の日本初の大トリック映画をAmazonプライムのKADOKAWAシネマコレクションで観賞しました。日本初ってスゴい。まだ戦後4年目でもちろん白黒作品ですが、ここから日本の特撮が始まったんですね。特殊撮影はレジェンド円谷英二。円谷英二が「特撮」って単語を作る前なので大トリック映画と呼ばれていたみたいです(wikipedia 調べ)。
透明人間になると狂暴になるっていう設定は既にこの頃からあったんですね。透明人間の笑い声が特徴的なのですが、せっかく透明なんだから笑って自己アピールするのはダメでしょう。透明になると逆にかまって欲しくなるのでしょうか?終盤別人が顔を包帯でぐるぐる巻きにして透明人間に成り済まして博士を助けに行ったりするシーンは透明人間の特徴を上手く生かしたトリックだと思いました。
まだ戦後間もない頃なので神戸の風景が全然違います。高い建物が全くない!作品自体が面白いかどうかというよりは映画史の一部として観るのが正しい姿勢かなっと思いました。