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海外特派員 Comments (8)
しかし場面場面の面白さはさすが。暗殺、追跡、風車の場面。そして飛行機✈️墜落。よくあんな映像がCGのない時代に撮れたものだ。驚かされる。ただ、あんなの絶対生き残れるはずはない(笑)
80年も前の映画なので今どきの凝った出来のサスペンスと比べるのは失礼千万、サスペンスの帝王と称されるヒッチコック監督40歳、ハリウッド転身2作目となる当時珍しい特撮も盛り込んだ力作である。
事件の焦点となるオランダ・ベルギー講和条約の機密条項については明かされないままで気になった。時期的にみればオランダの中立宣言表明かもしれないが、暗示されるのは第二次大戦のきっかけとなった独軍のポーランド侵攻の鍵となった独ソ不可侵条約(ポーランド分割統治の密約)だろう。事実関係は別として諜報戦が繰り広げられていたことは想像に難くない。1940年公開(開戦は39年)というからほぼリアルタイムにサスペンス手法でここまで踏み込んだ映画を作ったということに驚愕する。最後のラジオのシーンは伝説のCBS記者エド・マローを連想させる、これも時代背景だろう。
ヒッチコックは本当に偉大です
ほんの1分たりと観客の興味を逸られないプロの技を堪能できます
物語は1939年夏、第二次世界大戦が始まる直前から始まります
米国人記者が戦争前夜のスパイ合戦に巻き込まれてというお話
もちろんラブロマンスを絡めます
最高の娯楽サスペンス
クライマックスの旅客機の遭難シーンは現代でもなかなかお目にかからない程の迫力
そう確かに徹頭徹尾娯楽大作です
しかしバルカン超特急で密かに政治的メッセージを忍ばせたように、本作でもヒッチコックはシリアスなテーマを潜ませています
それはマスコミの使命とは何かです
主人公は自分の使命をこう言います
アメリカの読者の目となり耳となって真実を伝えることだ
21世紀の我々にとっては切実なテーマです
なにしろ現代のマスコミは本作での悪役のように
平和を口にしながら自国と国民を欺向こうとしているのを目撃しているからです
フェイクニュースを日常的に使い、何が真実か見えなくしている世界に我々は今住んでいるからです
初めはナンパに精をだす適当な仕事ぶりの記者が、いつしか自国とその国民への責任に目覚め、記者の本分を果たす一流記者に変貌している
本作はその成長物語でありました
自分勝手な思想信条で自国と国民を裏切るような記者は、本作に登場するスパイそのものでしょう
マスコミが健全だからこそファシズムに勝利出来るのだとのヒッチコックのメッセージは現代でこそ重要性を増しています
本作はその意味でも永遠に生命を持つ作品といえるでしょう
光と陰を駆使した絵作り。カメラワークの巧みさ。
ストーリ展開はドタバタさとモタモタ感があり、ヒッチコック後年の数々の傑作のような「完璧!」って感じではない。
第二次世界大戦前夜のドラマを開戦直後に公開していて当時見た人たちはさぞ生々しい感じを味わった事だろう。半分くらい見て寝て一日開けて続きを見たので、ちょっと分からなくなってしまったけどけっこう面白かった。飛行機の墜落シーンは迫力があったのだけど、実際はあんなものではなくもっと凄そう。