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007/ダイヤモンドは永遠に Comments (14)
前作「女王陛下の007」の異色版が終わり、第七作目はショーン・コネリーと娯楽要素の強い演出が戻ってきた。
敵から逃走するのは月面車を使うというわけのわからなさがあるし、水着姿など露出と口数の多いボンドの相手役女優は軽機関銃を撃った反動で海に落ちるし、活劇の迫力というよりも喜劇色がより濃くて楽しませる方向に舵を切ってきている。月面車の後はマスタングによる派手な逃走劇があるが、こちらはMI6の用意したものではなく、特殊装備は何もなし。宇宙とレーザーの特撮は時代なりの出来映えで良くはない。全体としては007の中では特に目立つ作品ではないが、たいした緊張感をもたずに気楽に楽しめる娯楽作品にまとまっている。
秘密基地も復活するが、ボンドガールのジル・セント・ジョンがいい味を出している。
貫禄が出てきたジェームズ・ボンド。
シリアスだった前作から一転、オープニングからインチキ臭さ全開。派手な赤い車で尾行したり、月面車でのカッコ悪いカーチェイスがあったりと、ツッコミどころ満載な内容だったけど、(スタントマンだろうけど)ボンドの軽快なアクションシーンもあったりで、それなりに楽しめて良かった(^^)b
ボンドガールも、無駄に露出の多い格好でセクシーだったし(^^)b
・あまり印象に残りにくい
・間が空いたうちにショーンコネリーが若干老けてしまってた
・ハゲでゲイの悪役
何から何まですべて超一流のプロの仕事だ
感服するしかない
ことに主題歌の素晴らしさよ!鳥肌が立つとはこのこと
そしてそのタイトルバッグの映像の美しさ!もう芸術と言って良いレベルだ
007シリーズとは何かを作り手が更地から突き詰めてどうあるべきかを再構成しなおした傑作中の傑作だ
原作はあれど基本構成だけを残して映画としての価値を追求して、自由に脚本を作る方針が大成功している
ジェームス・ボンドとはどんな人物なのか
どんな行動を観客は期待し、どこを舞台に活躍して欲しいのかをトコトン考え抜いて脚本が作られ演出されているのだ
つまり007シリーズの再定義が行われたのが本作の最大の意義なのだ
監督にはゴールドフィンガー以来3作品開けてガイ・ハミルトンが復帰
ゴールドフィンガー以降路線が迷走していたのを女王陛下の007で原点回帰を目指したのだが中途半端であった
その間に0011ナポレオンソロや電撃フリントなどの類似作品の方が大衆が007に求めるものを正確につかんでいたのだ
このままでは007シリーズはマンネリで終了やむなしとの空気が漂ってしまっていたのを、見事彼が建て直したのだ
その為には、やはりショーン・コネリーを呼び戻すしかないという結論は当然だ
前作のレーゼンビーでは駄目だ
落ち着き方、気品がまるで違う
レーゼンピーでは下流階級の出が気取っているようにしかみえないかった
冒頭からニヤリだ
ショーン・コネリーの主演だった007は二度死ぬのを思い出させるために日本シーンを入れ、更に今度はプフェルドは二度死ぬをやって見せるのだからたまらない
こんな調子で様々なくすぐりを繰り出してくる
アムステルダムはダイヤの研磨の世界一の産地
運河の町、ルーベンス
ならばボンドは当然運河の遊覧船に乗ってガイドがその説明をするのだ
そして左手に見えますのはーと言ってカメラが捉えるのは殺し屋にやられた水死体だ
そして飾り窓、日本でいうところの紅殻格子
つまり色町だという連想は男性なら当然起こる
それぽい家に入ると半裸のヒロインがいるという寸法だ
しかもホモセクシャルな街でも有名
なので殺し屋二人組もホモセクシャルな関係を匂わせてあるのだ
ボンドと言えばタキシードにカジノだ
ならばラスベガスに行くしかない
そこでのカーチェイスは素晴らしい出来だ
あのストリップ大通りを爆走してパトカー数台を翻弄してみせる
つまり観客の観たいものを徹底して見せてくれるのだ
しかし仕掛けは忘れてはいない
サーカスの空中ブランコはただ単にラスベガスだからではなく、ホワイトのホテル最上階やクライマックスの石油堀削基地でのロープアクションの伏線になっているし、月面車は終盤のレーザー衛星を突拍子も無いように感じさせない為の伏線だ
見事な脚本としか言いようがない
本作の成功が007シリーズを終了の危機から救い21世紀まで続く超長寿シリーズにしたといえるだろう
007シリーズの最高傑作と断言して良いと思う