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櫂 Comments (2)
高知で女衒をしている男(緒形拳)は上昇志向が強く、妻(十朱幸代)には、いずれ胸の張れる仕事を、と誓っていた。
ただ女性関係がいい加減で、妻は苦労続きだったが・・・。
十朱幸代の演技には魅入られてしまった。
“女衒”という商売。なんとなく卑しい商売のような気もしていたが、人情に篤いため金遣いが荒く、人助けと割り切って貧乏を憎む男・岩伍(緒方)。染勇を引き取ったが、母親は赤痢で死亡。高知一の芸妓となり、次から次へと男を変えていた。岩伍の長男・竜太郎(井上純一)はひ弱で肺病を患い、次男・健太郎(田中隆三)は優等生。菊は竜太郎が気になってしょうがない。岩伍は肉体関係のあった娘義太夫の豊竹巴吉(真行寺君枝)に入れ込み、興行を成功させるが、染勇の旦那でもある地元のやくざ谷川(成田三樹夫)はそれを面白く思わなかった。
母親の喜和(十朱)が岩佐の浮気を知ったため家を出て行ったことが原因で、賭場に出入りしていた健太郎を連れ戻そうと谷川の賭場へ乗り込み、ケンカの末、健太郎は傷害罪、竜太郎は肺病が悪化して死亡・・・大貞楼の女将(草笛光子)の計らいで、よりを戻した岩伍と喜和の夫妻であったが、巴吉が産んだ子・綾子を引き取ることになった。そして10年後・・・
出所した健太郎は染勇の妹・小夜子と結婚。岩伍は谷川の手下に襲われるが助かり、巻き添えを食った車夫が死亡、その未亡人・松井照(白都真理)を引き取った。谷川の勢力は衰え、ヤクザから市会議員へとのし上がった岩伍。夫婦は離縁話。そこからは泥沼。十朱幸代の演技は途中まではたいしたことなかったのに、終盤にきておそろしく感じるものがあった。それに綾子役の高橋かおり!「死ねや!」と、キッと睨んだまなざしはこわいぞ!などと俳優陣の演技は文句のつけようがないが、ストーリーがぶつ切りすぎ。まぁ、半生を描いてるんだからしょうがないけどさ・・・
市場で働く竹(島田伸介)は菊に求婚したが断られた。2009年、この石原真理子が伸介に迷惑メールを送ったとかで芸能記事をにぎわせたが、この映画が原点だったのかぁ?