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ある愛の風景 Comments (8)
よかった、みたい作品に登録してて
映画館で観てたら全身の震えが止まらんかっただろうな・・・
◇ ◇
鑑賞後に
心身に起こった現象は
昨年12月に映画館で観た
『ずっとあなたを愛してる』(08)に似ていました。
こちらも、しばらくカラダの震えがやみませんでしたから。
ストーリー、上記作品に
『さよなら。いつかわかること』(07)の
男女を逆にしたヴァージョンを加えた感じです。
更に加えるなら、子役のかわいさは
『ラブリー・ボーン』(09)に匹敵します(苦笑)
・戦争
・夫婦愛
・兄弟愛
・家族愛
・贖罪
テーマは、この5つ
観る人によって感情移入する登場人物が異なる
どの人物に感情移入をしても息ができなくなるほどの苦しさには変わらない
この3行を記しておきます。
それ以外は鑑賞する人、それぞれに委ねたいと思います。
それだけ、いろいろと、考えさせられる作品になっています。
☆彡 ☆彡
ラストに救いはあります。
「これでおわるんだぁ」と
エンドロールが流れ始めた瞬間、声を出してしまいました。
いやぁ、いいんじゃないでしょうか。たっぷりと余韻を味あわせてくれて(笑顔)
フィクションですが
現実の世界のどこかで
本当に起きているかもしれない
そんな戦慄に襲われたのは私だけでしょうか
いつも登場人物に究極の選択、体験を強いることでドラマを展開する。
いつも優等生で誰にでも寛容な性格の兄と素行が悪く自分勝手に生きてきた弟、正反対な人物を描きその対象性を物語の軸へと昇華する。
サラやミカエルの娘たちと触れあうことで変わっていくヤニックの心、捕虜という立場で生きて帰ることを約束しあった仲間を殺すことを強いられた体験によって変わっていくミカエルの心。
心と心が触れあうことで人は善くもなれるし、逆に壊れていくこともできる。 罪を犯せば直ぐに詫びを入れるような性格だったミカエルは自分が殺してしまった仲間の遺族の元を訪れるが謝ることが出来ない。 消えることの無い罪を背負った人間の心の痛みがひしひしと伝わってくる。
しかし、悲劇のままでは終わらせないところにスサンネ・ビアの性格が垣間見える。
ミカエルが"再生"へ向かう道しるべもサラの"心"によって示される。
ドキュメンタリータッチで描かれた映像は私達が傍観者であることを強く示し過度の感情移入を赦さない。
にもかかわらず、彼女の描く"心の傷"は私達の心の奥底までしっかりと届く。
これも名画座にて。
デンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得し、
ハリウッドでのリメイク企画も進行している作品だそうだ。
題名を見るだけでは、ちょっと分かり辛いその内容は、
悲しみと孤独に家族の絆が入り混じり、痛みと切なさの反復、
これでもかこれでもかと「夫婦」の在り方を見せつけてくる。
確かに女性監督(S・ビア)らしい繊細なタッチではあるが、
戦渦のアフガニスタンの描き方は想像以上に恐ろしかった。。
これは、誰にでも起こり得る話だと思う。
国連軍として戦地に赴いた最愛の夫が戦死したという訃報が
突然届き、家族はその悲しみに打ちひしがれている。。
両親には自慢の息子、妻や子供には素晴らしい夫で父だった。
まさか。。どうして。。
しかしその悲しみは、やがて時間が癒してくれるようになる。
夫には弟がいた。出来損ないだった弟が兄の戦死以降、
その罪を詫びるかのように、遺された家族に尽くし始める。。
初めは怖がっていた子供達も彼になつき、妻もだんだんと
彼に惹かれ始めていく。そんな矢先、夫の生存が分かり、、。
物語のクライマックスは、ここから。
当然家族は大喜びし、すぐに夫を迎え入れる。むろん弟も。
そして普段通りの生活が(形式的に)始まっていくのだが…。
夫はもう、以前の夫ではなかった。戦地で何があったのか。
観客にはすでにそれが分かっているが、家族は何も知らない。
愛する家族のもとへ生きて還るために、彼は何をしたのか。
正義感溢れる誠実な人間だからこそ、抱えてしまう心の闇。
父親に怯え始めた子供達のため、妻がとった行動とは。。。
実は、不倫映画か…?なんて最初はたかをくくっていた。
夫のいない間に弟と?っていう、そういう「愛」なのかと。
ぜんぜん違っていた。恥ずかしいほど不正解だった(汗)
これぞ夫婦だ。さすが…!
ラストはそう思わずにいられなかった。
どんなに愛している相手でも、見えないものは見えない。
分からないものは分からないのだ。当たり前のことだx
なにか重大なことが起きて初めて、対峙するときがくる。
そしてそれを打開できる力こそが、夫婦の「対話」なのだ。
(弟もいい青年だった。原題が示すように兄弟の絆も◎)
タイトルから想像できないとてもシリアスな映画で、主人公の選択については命がかかったら止む得ぬとはいえ考えさせられるものでした。
アフガンの国連維持活動(ISAF)といっても、デンマークの軍隊から派遣された主人公の活動は戦場そのもの。民主党の小沢さんはこんな場所に自衛隊を投入しようとしていたのかと驚きました。
そして戦場で捕虜になると、いろいろ悲惨な体験を積むことになります。ミカエルも人に言えない仕打ちを経験し、心に深い傷を持ってしまいます。
運良く救出するものの、誰にも言えない秘密を持ったしまったミカエルは、その秘密に次第に心を狂わされていきます。
まして戦死したことになっている間に、不仲だった弟と愛する妻が嘘のようにうち解け合っている姿を見て、よからぬ妄想がミカエルを嫉妬に駆り立てます。
ミカエルも人生を取り戻そうと必死なのですが、どうにも、なかなかその秘密の一言が言えないものです。そんなに苦しいのなら、いっちゃいなよ~と叫びたくなる作品でした。
このように書き込むと、なかなかいい話ではないかと思うでしょうけれど、シーンごとの描写が丁寧すぎて、やや疲れました。女性監督なりのこだわりと細やかさなんでしょうけれど、もう少しテンポを上げて、ミカエルの苦悩にフォーカスすべきでした。
そのためラストが中途半端な感じで終わっているのが残念です。もっと弟ヤニックへの疑いを盛り上げていけば良かったのではないでしょうか。
ところでこの作品は、遠くの戦争が家族の平和を壊すところを描いています。夫を戦地に取られた妻は、何の術もないままに悲報を受け取るしかない不条理に襲われるということでは、「しあわせな孤独」の交通事故や「アフター・ウェデング」の不治の病同様、誰の身にもそしていつ起こっても不思議ではない出来事として、戦争が描かれています。
泥沼化するアフガンでは拉致事件が頻発し、日本でもいまそのアフガン支援のついて協議しています。平和ぼけといわれて久しい日本人ですが、小沢さんの主張に政府が妥協し、アフガン国内に自衛隊を派遣するような事態となったとき、この作品は遠い外国の出来事ではなく、より身近かな同朋が同じ思いをすることになる可能性を秘めていると思います。
でも、だからこそ今の若い人たちに観て知って欲しい、戦場での究極を…戦場以外での悲しい出来事を…。
今も世界のどこかで戦争は行われています。