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ママの遺したラヴソング Comments (6)
酒と音楽の町ニューオーリンズで、ゆったりとした時間とカントリーやブルースが流れる。文学を論じながら酒と絶望に溺れて腐っていく過去のある男二人と、同じく過去のある少女の奇妙な同居生活が描かれる。
たぶん若いころに観たら退屈に感じたかもしれない。どんな過去があったのかすごくはっきりと描かれるわけでもないしそんな映像も出てこないけれど、経験と年齢を重ねてくるとこういうことの辛さが理解出切るようになっていた。細々とした設定や物語の流れよりも、そのような辛い過去を経験した三人の生活の様子と再生、そして彼らの演技が良かった。穏やかな過去の浄化と再生を観ることが出来た。この町の持つ空気と景色も作品の雰囲気作りに一役買っている。
家は3等分・・・といっても、ボビーとローソンは二人で寝てる。生意気で、口は達者なパーシーに手を焼くボビーだったが、ローソンも進言もあり、受験勉強に協力することになった。そこから3人は打ち解ける。心の揺れ動く姿はなかなか見事な描写。特にローソンの過去の話は泣けてくるくらい。弁護士によれば二人が住む権利を有してるのは1年間。高校も最後の学年になれたし、受験勉強も順調。だけど1年が過ぎた頃、その事実を知ったパーシーが怒って、家を売りに出す騒動も・・・
てっきりママがボビーのために作った曲がタイトルになったのかと思っていたら、ちょっと違っていた。それでも最初から「父親は誰?」という疑問を持って観ていたので、ボビーが父親なのでは?と予想がついてしまった。サックス吹きというミスリーディングもあったが・・・
文学の要素が多すぎたため、なんとなく日本人には合わないところが残念(単に俺が知らないだけかも・・・英文科卒だというのに)。