堤幸彦監督と堤真一が初タッグを組み、雫井脩介の同名ベストセラー小説を映画化したサスペンスドラマ。一級建築士の石川一登と校正者の妻・貴代美は、高校生の息子・規士や中学生の娘・雅とともに、スタイリッシュな高級邸宅で平和に暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来、遊び仲間が増え無断外泊することが多くなっていた。
ある日、規士が家を出たきり帰ってこなくなり、連絡すら途絶えてしまう。やがて、規士の同級生が殺害されたニュースが流れる。警察によると、規士が事件に関与している可能性が高いという。行方不明となっているのは3人で、そのうち犯人と見られる逃走中の少年は2人。規士が犯人なのか被害者なのかわからない中、犯人であっても息子に生きていてほしい貴代美と、被害者であっても彼の無実を信じたい一登だったが……。
貴代美役に「マチネの終わりに」の石田ゆり子。「八日目の蝉」の奥寺佐渡子が脚本を手がけた。
This site is a comprehensive movie website about movie posters, trailers, film reviews, news, reviews. We provide the latest and best movies and online film reviews, business cooperation or suggestions, please email us. (Copyright © 2017 - 2020 920MI)。EMAIL
望み Comments (17)
鑑賞後3日たちます。
…悲しいのか、切ないのか、それでいてどこか気高さを感じるような、ひと言では語れない複雑な想いが胸の中をかけ巡っています。
父親が設計した、きらきら輝く真っ白な住まいは築き上げた幸せの象徴。
とても誇らしげで、とても大切にしている父親の姿が印象に残ります。
そこに住むステキな夫婦と兄妹、誰もが羨むような家族が巻き込まれた事件が平和だった家族を絶望のどん底に突き落とすサスペンスドラマ。
そして、それは特別なことではなくて身近に起こり得ることなのかもしれない、と考えさせられたのです。
ちょっと出かける、と言って出て行ったきり息子が帰らない。
友達と遊んでる?それにしては連絡がつかない。いや、返信が来たから大丈夫。
…私は母親と同化したように息子が帰って来るのを待ちました。
やがて明らかになっていく同級生の殺害事件。
マスコミが押し寄せて記者に、近隣住民に、心ない野次馬に、自慢の自宅が汚されていく様を見せられました。
家庭の幸せのなんと脆いことか…
ウチの息子に限って犯罪なんて犯さない。あんないい子が。あんなに愛して育ててきた。
でも実は、本心や本当の姿を親は知らないのかもしれません。
友達や他人には話せる悩みでも、家族には言えない…そういう気持ちを抱えている子どもほど、真面目で自立してる。
母親は、息子が犯人でも生きていて欲しいと望み…
父親は、息子が殺害されても無実でいて欲しいと望んだ。
…投げかけられる究極の選択。
両親の壮絶な葛藤と苦悩が描かれていました。
何故なら、どちらが結果だとしても苦しく辛いことだから。
祖母・市毛良枝さんの言葉が喝を入れてきます。…どちらに転んでも覚悟だけはしときなさい!
その通り。覚悟なのですね。
息子が犯人だとしたら、親として全ての罪を償う覚悟。
息子が被害者だとしたら、死を受け入れるという覚悟。
自分の息子が選んだ道に対して、責任を取る覚悟が必要だと、親の何たるかを教えられた気がしました。
父親・堤真一さん、母親・石田ゆり子さん、妹・清原果耶さんという演技派の素晴らしいキャスト。
そして、息子・規士という難役に挑んだ新星・岡田健史さんに拍手を送りたい。彼が俳優として30歳、40歳になった演技が楽しみで仕方ありません。
明らかになる息子の本当の姿に、父親と一緒に涙せずにはいられませんでした。
エンドロールで流れる森山直太朗さんの主題歌「落日」が胸いっぱいに広がって、なかなか立ち上がれなかった。
家族それぞれの「望み」と、やがてたどり着く真実が胸に刺さる映画。
ごく普通の家族だと思っていたのに、ある日突然世間を震わせるような事件に息子が、兄が、孫が関わっているかもしれない、もしそんなことに自分がなったら…
石川家の父の思いも、母の思いも、そして妹の思いも凄くわかる。
果たして自分があの立場に立ったとしてら…
そう考えさせられる時間でした。
息子役の岡田くんが被害者か加害者か…
ラストまで分からない展開で、ただ、心の中では、岡田くんには少なくとも今は『加害者』はハードすぎるかもなぁ…と思いながら見ていました。
彼の今のイメージにはまだ『悪』は早いかなーって(汗)
そう思いつつも、ラストは泣いてしまいました。
苦しい緊迫感を一緒に味わえました。
親の「やってない!やってる!いや、やってない」と揺れ動く気持ちが、とても切なかった。
やってない=死という究極の選択の中で、この母親は凄いと思った。
例え殺人犯であっても生きていて欲しいという気持ち。お腹が空いているだろうと、殺人犯である事を大前提にお弁当を作ろうとする姿が、私としては信じられないと思った。
祖母が言った覚悟をしなさい!という言葉や、母のこれからは今まで通りの生活はで出来ないって事でしょうと言った所重かった。地獄だと思った。
絵に描いたような、素敵な理想な家族。
何不自由もない幸せな毎日を当たり前に送っていたのだろう。
規士がいなくなってしまう前までは…。
規士の同級生が殺害されてしまい、果たして規士は加害者なのか否か。
数日が経ち、被害者が一人増えたという噂がSNSで知る事になり、果たして規士は被害者なのか加害者なのか。
母は「生きてさえいてくれればいい」という。
父は「規士はそんな事をするやつじゃない」という。
妹は「お母さんの前では言えないけど、被害者だったらな」という。
どっちに、転んでも最悪な状況。
自分なら…。被害者であって欲しいと思ってしまった。
祖母の言葉「覚悟をもってれば…」
のセリフが心に刺さりました。
今日もまた素晴らしい作品に出会えた事に感謝致します。