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SAYURI Comments (10)
チャン・ツィー主演ということで見た。外国人から見た芸者映画。ハッピーエンドのようであるが、芸者に人権がない設定からして、決して幸せではない。渡辺 謙は10歳程の千代を見てから彼女をずっと女としてみているようなのだが、これはいかがなものか。見終わった後もやもや感が残る。ただ、大後の演技は良い。この映画の見所はそこのみ。
子供の頃に姉と一緒に売られる場面から始まり、かなり暗い展開になるのかなと思っていたら、それほどでもなかった。多分外国人監督のせいかもしれない。セットが中国風のものもあり、違和感を感じたという人もいるが、私にとってはどうでもよかった。
同僚に非情な仕返しをされ、生きる希望を失って、山に登って大事なハンカチを捨てるシーンがあり、もしかしたら、自殺でもするのではないかと心配した。
実は、基本的に私は事前に予備知識なしに映画を見るほうであるが(できれば予告編も見ない)、この映画に関してはyoutubeで一部見てしまっていた。それは、この山に登っているシーンであった。そのバックに流れていたのは、マリアカラスが歌う蝶々夫人の「ある晴れた日に」であった(実際の映画では流れていなかったが)。
https://www.youtube.com/watch?v=sLcbfF9ypmM
それで、蝶々夫人のように自殺してしまうのではないかと思ったのだった。
そこからエンディングまでは予想外の展開となり、渡辺謙の独白はやや嘘っぽいが許せる範囲で、感動的なラストだった。悲劇を予想していただけに、後味の良い映画で幸福な気分に包まれた。チャンツイーのファンなのでちょっと甘い点数になったかも。
原作はアメリカ人が書いたとは思えないほどに、花柳界や京文化の仔細が記述されていて舌を巻いた。その上に女同士のいさかいやさゆりの愛と成長が描かれてる。映画も基本的に原作に忠実で、重要なエピソードもそつなくまとまっていると思いました。
主人公が日本人じゃないということが不満な人もいるかもですが、やはりこれを観てしまえばチャン・ツィイーにかなう同世代の日本人女優がいるとは思えない。
とはいえ、さゆりの少女時代を演じた大後寿々花はかなりスゴイのではと思ったので、彼女の将来に期待。
全くもって日本のわびさびみたいなものを理解してもらえてないと感じました。
ということで途中で寝ました。