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ひまわり(1970) Comments (20)
出てくる時計がいつも6時前後を指しているのはどういう意味だろう。二人の気持ちは結婚した時と変わっていないという暗示だろうか。
誰かを完全に忘れるなんて、辛いことです・・
戦争に引き裂かれた、悲恋の物語。邦画にもこの類の作品は数多くあるけど、戦場のシーンの雪は目新しかった。ロシア戦線の悲惨さを訴える映画を見たのは、これが初めてかもしれない。邦画では、戦地と言えばやっぱりジャングルのイメージが強いから。BGMも台詞も少なめで、目と表情で訴えかけるような表現力は、名作と言われるだけあるな、と感じさせられた。ただ、物語の展開があまりにもメルヘンチックというか、ロシア人女性が戦地でイタリア兵を命がけで助ける意味や、記憶がどの程度失われていたのかなどが曖昧で、あんまり共感できなかった。それに、夫婦と言っても、肉体関係がすごく強調されているところも、個人的には受け入れにくい部分があった。音楽は、荘厳な感じで映画ととてもよくマッチしていたけれど。
良い意味で裏切られます。
どなたかが「この映画を観ることなしに恋愛を語ることなかれ」とおっしゃっていましたが、同感です。
ひまわり、ひまわり、ひまわり。
イタリアを代表する女優、気が強くて明るくて、夏の太陽に例えられ、夏の太陽にも引けを取らない、そんなローレン女史を表現しているのかと思っていた…
けれど…
兵士をはじめとして戦争で亡くなった方の墓標、果てしなく続く墓標…
太陽に焦がれて、太陽ばかりを追い続けついに花になってしまったニンフ…
…こんな物悲しい物語の象徴だったなんて…
戦争に引き裂かれて、狂ってしまった運命…
前半が、恋する者たちのおかしさ・恋する楽しさを十分に魅せてくれるだけに…。
ロシアでのしっとりとした落ち着いた生活も魅せてくれるだけに…。
自分の幸せ・激情に惑い・苦しみながらも、幼き者の幸せを優先して踏みとどまる二人。大人の決断。
…子どもを犠牲にして、それが幸せだと思っている人だってたくさんいるのに。
この筋の展開だと単なるメロドラマになってしまいそうなのに、お昼のメロドラマとは違う。演出、演技…が違う。
あらすじを知っていても、シーンごとに「こうくるか!!」の連続。名優の演技。
迷いながらも、自分の張り裂けそうな思いを抱えて、パートナーを、ライバルの気持ちを大切にする強さ…、責任をきちんと引き受けることを選択した強さ…
号泣、胸が張り裂けそうなのに背筋が伸びる。
心をかき乱され、揺さぶられる。私なら?こんな大人の振る舞いできる?
静かな、心に沁みわたる反戦映画であるとともに、
自分自身の、別れたくなかったあの人を思い出して涙してしまう。
大人の生き方を見せてくれる映画です。