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二人ノ世界 Comments (9)
事故で首から下が不随の男と、彼を介護することになった後天的に視力を失った女性の話。
仕事を探すもなかなか採用されず、少し荒んだ暮らしをする視覚障害者の女性と、暴言を吐き、次々とヘルパーに辞められる男。
高齢の父親が介護をしているが、自身の身体のこともあり、ラジオを通して現状を訴え、求人をしたらやって来たのは心の強そうな全盲の女性だったというところから交流し、男は当然文句は言うけれど、女は出来ることを精一杯やるし黙ってはおらず、という中で変化が起きていく。
身体のことを言われたら、自分には本当のところを理解出来る訳はないし、的外れかも知れないけれど、気持ちとしては甘えたことを抜かす男の心境も解らなくもないかなというところ。
本音をぶつけ合うも思うようには事が運ばないもどかしさや、苛立ち、不安、哀しさとかが、響いてくると共に考えさせられた。
完全に個人的な映画の好みの話だけど、最後の感情、関係は、そうならない方が良かったなー…。
首から下が麻痺して動かない俊作。ヘルパー募集を知ってやって来たのはサングラスに白杖をつく女性、華恵。
事故で突然体の自由を奪われた俊作と、徐々に光を失っていった華恵の"二人ノ世界"が京都の町のひと部屋を舞台にぶつかり合いながらも時を刻み始める。
出会ったばかりの華恵に俊作を託すと決めた年老いた父の覚悟。
「毎日天井を見て、食って、垂れ流すだけ」他人を寄せ付けない俊作の荒んだ心に華恵の温もりがじんわりと染み込んでゆく。
その人の心の痛みは本人にしか分からない。他人が知った風に踏み込むことでどれ程傷付けてしまうのか。けれどその痛みにそっと触れてくれる誰かがいたら、もしくはその誰かだって人知れず痛みを抱えているということを知ったなら今よりずっと優しくなれるはず。
そう思うのはただのきれい事か。絵空事か。
「どっちがどっちの介護をしてるんですか?」そんな質問に苦笑する俊作。
華恵と共に暮らして行きたいという気持ちに正直に向き合う。
自分がしてあげられることがどれだけあるだろうか。
華恵をこの世界に踏み留まらせた形見の鈴の音が暗闇に吸い込まれてゆく。
いつもの部屋。二人だけのラストシーン。
この目でその顔を見ることはできない。
この腕でその体を抱き締めることはできない。
それでも二人にこのままこの部屋で幸せに過ごしてほしいと願うのは私のエゴだろうか。
どんな考え方をしても正解がないような映画でした。
男の親族の人が主人公に対してそれが現実だよと言ったが
現実とは、綺麗、汚い、残酷とかの問題ではなくて、
在ることではないか?という事を思った高校時代を思い出した。
能力がないなら、進路変えた方がいいと言うが、そんな簡単な問題
ではないと思った。最後の君がいるだけでいいは究極の愛だと思った。
華恵の部屋での荒み具合の描写がすき。
河瀬直美『光』の感想でも言ったか書いたかしたが、介護/補助人と被介護者との共依存というか恋愛感情に近い物語については否定的な見方をします。
現実での介護従事者が観たら重荷になりすぎると思うから。
華恵の子供に会いに行ったとこ、見てて苦しくてつらかった。
ラストの映像、ノベライズでイメージしてたそのままを見事に映像にしてます!素晴らしい。と同時にノベライズではこのラストに「少しの未来の希望」みたいなのを漠然と感じてたのですが、映像で観た時に感じたのは林海象『二十世紀少年読本』ラストでの二人に似た、「破滅願望」のような覚悟のような過去も未来もなく「今」だけの刹那的美しさ。