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トリとロキタ Comments (20)
トリとロキタは、姉弟と偽ってビザを申請するが、認められない。しかし、二人の絆は本物だ。ビザがないので非合法な仕事をする以外に生活する術がない。姉のロキタは故郷に仕送りに加えて、渡航ブローカーに金を払わねばならず、危険な麻薬ビジネスに利用される。救いのない現実が容赦なく見せつけられるが、これがこの社会の現実だ。
トリとロキタ役の2人の少年少女の芝居は素晴らしい。ダルデンヌ兄弟はティーンエイジャーを描くのが本当に上手いと思う。「イゴールの約束」でも不法移民の物語を描いていた彼らだけど、その眼差しは一貫して変わらない。本当に芯のある作家だと思う。
イタリアン料理屋の厨房で働く売人に雇われて手伝いをしているロキタにくっついて、一緒にハッパを配達して回る血の繋がらない弟分トリ。
本当の弟たちの学費を仕送りする為、そして移民ブローカーへの借金返済の為、ビザの無いロキタがより稼げる住み込みのお仕事をすることになって…。
そういう世界を肌身では知らないし日本人だからか、やはりそういう世界に足を踏み入れ様とするぬるいロキタの気持ちは理解出来ないし、仮にそうだとしてもトリにその世界の片隅みを見せてしまうのもなんだかね。
ロキタは年の分だけいくらかはヤバさが判っている感じだったのに。
マルゲリータの件から、どうやって帰った?という雑さをみせつつ、なかなかヤバイ匂いを醸し出していたけれど、なるほどそういう話しですか…。
こういうのは映画として嫌いじゃないけれど、これを受けて最後は何を想うのか、ここからどんな方向にも進む可能性があるし、ヘタしたら子供だし何も考えてない可能性もある訳で…。
全てをみせろとは言わないけれど、あまりにもぶった切り過ぎで、ただそういう空気をみせたいだけのエンタメにも感じてしまって勿体ないなという印象。
日本では想像が難しいことも、
アフリカ〜ヨーロッパでは少ないケースではないのだろう。
入国審査官、施設スタッフは、
不親切ではないが、
ルールの下でしか姉弟を守れない。
売人の雇い主は、
仕事と金を与えるが、
自由と人権は与えない。
朱に交われば赤くなる
悪事は悪事を呼び、
不幸な結末を生むのだろう。
偽りの姉弟トリ(弟)とロキタ(姉)、年上のロキタはビザを持ってない為、正規の職に就けずドラッグの運び屋をして金を稼ぐ、少年のトリは学生ながらも学業が終わるとロキタの手伝い。
たまにパニック発作を起こすロキタ、薬を常備してるが薬だけでなくトリが一緒に居てくれる事で落ちつける。
個人的にはハッピーエンドを願ってたけど、正規のビザが取れず、偽造ビザを作る為の金を作る為、運び屋からマリファナ栽培の仕事に変わった時に何かもうヤバそうだな!と。
挙句の果てにロキタが働く場所にトリが潜り込んでマリファナ盗んで街に売りに行った辺りでもうアウトだねって感じ。
話は飛ぶけどマリファナ栽培の場所から二人は脱出するも見つかってロキタは射殺、トリは隠れて逃げ生き延びれたんだけど、これは作品だけどリアルでもこういう事があるのかなと何か悲しい気持ちになりました。
終始作品に引き込まれ私個人的にはいい作品に出会えたな!って感じです!良かった!
ラスト。
ロキタが道に出て車を捕まえる。
一度止まったマダム。
彼女はロキタを警戒して、去ってしまう。
そして車を停め続けたロキタは
銃殺される。
あのマダムは大衆の象徴のよう。
厄介な者は出来るだけ自分のスペースに入れたくない。
自分の日常を崩したくないし、
自分だけはセーフゾーンに居たいのだ。
すぐそこにどれだけ困っている人がいようとも。
それがこの世界の多くの人々だ。
あの車はその象徴だ。
だから、車が見捨てたロキタは殺される。
見捨てるという事は、殺すと同義なんだ。
この映画では、
女性の搾取についても描かれる。
女性はあらゆる権威と暴力を駆使され、
経済的困難を利用されて、性的に搾取される。
考えられないほど子供たちは冷静で
生きる為の知恵に溢れていて、
それでいて笑顔が少ないのが余りにも悲しかった。
後ろめたさを抱えながら劇場を後にした。