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メカバース 少年とロボット Comments (6)
「グアイウ 地下鉄の怪物」に続いて、シンガポールに縁があって鑑賞。というか同国発のロボットSFなんて見ないわけにいかない。ということで評価にはかなり贔屓目が入っている。
何よりも、「パシフィック・リム」同様に、アニメ・特撮を問わず、ヒーローロボットドラマへの憧憬が表れていると感じた。フィリピンで「ボルテスV」がリブートしたように、志が世界に広がるのは素直に嬉しい。
映像は、ちょっとレトロフィットなロボや戦闘機の造型はいい線いってるし、実景との合成もよくできていると思った。ただ戦闘シーンが動いているものが多すぎて追いづらい。コンテがよく練れてないような感じ。音響は、吹き替え(しか今のところ上映してない)なのにしばしば台詞が聞きとりにくい。ロボや通信の音声へのエフェクトが強いとか、効果音とのバランスの問題か。原語版も見たい。
世界設定やストーリーは(「スターシップ・トゥルーパーズ」とか、それこそパシリムなどで)既視感があるが、父は地球軌道で戦死し、「父さんは宇宙から見守っている」と言っていた母も土星に出征し未帰還、という導入でもう涙してしまう。残されたひ弱な少年がロボ部隊に志願し、分隊の仲間や意思を持つロボとの交流で強くなっていき、クライマックスでの「父」との邂逅、そしてロボとの別れ……王道だが悪くない。(ちなみに、シンガポールは兵役義務が全男性にあるため、こういう新兵の成長譚は琴線に触れるものがあるのではないかと思う)
今回は候補生の修了試験中に会敵し戦果を挙げたところで終わり、母の行方の話が回収されていない。本作が売れれば作られるであろう続編に期待したい。
蛇足だが、邦題の「メカバース」はどうなのだろう。メタバースやマルチバースのような別の世界は出てこないし、むりやり流行り物に乗ってる感がある。(原題は"HEAVENS: A Boy and His Robot"で、Heavensは作中の空間跳躍装置を指す)