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アリスとテレスのまぼろし工場 Comments (20)
閉鎖的な町で暮らす正宗を主人公に、睦実や五実と共に物語は進んでいきます。死生観を取り入れており、基本的なアプローチは前作と同じだなと思いました。
最後の方の場面は感動しました。
行き詰まった状況で、どう打開していくのか考えさせられます。
個人的には前作の方が上だと思いますが、今回の作品も見応えがありました。
試写会で一度観ただけなのでまだ理解しきれていないがこれほど感想を書きたいと思った作品も他にない。好きか嫌いかで言えば星4以上にしたいが批評家を気取り星3.5。
まず映画の世界観、作画、美術、演技は最高レベルだったと思う。特に美術は圧倒的で空と花火は純粋に感動した。作画は常に丁寧で躍動感とリアリティがあった。これほど自然体な演技も珍しい。私は蟲師のような演技が好きなので。ただそれらが革新とまで呼べるかは疑問が残る。キャラクターに関しては睦実が好きだった。ミステリアスで近づくと煙に巻かれる感覚は唯一無二。主人公をこうやってからかうヒロインを待っていた。しかし脚本に関しては疑問点が残る。映像美等についての良さは明白なので以下はシナリオについての感想。
・「アリスとテレスのまぼろし工場」というタイトルの回収がされていない。千と千尋の神隠しみたいにキャッチーな響きにしたかっただけに思う。哲学からインスピレーションを受けたのはわかるが。
・神の正体については殆ど言及がされていなので考察のしようがない。数年間も登場人物たちが神の正体について誰も深く知ろうしたり抵抗しなかったのには違和感がある。真実に迫ろうとして過去に消えた人がいるとか説得力を持たせて欲しい。煙が龍の見た目をしている意味も特にない。佐上は煙の見た目を狼ではなく龍だと訂正しながら「神機狼」と命名していたりよく分からない。
・そもそも主人公の住む町と外の世界が隔絶されている時点でエネルギーや食糧危機問題が起こるはず。時間が止まっていて痛みも感じない世界なら空腹も感じない設定にした方が自然では。
・「成長という変化が許されない世界で変化を望む若者」というストーリーを恋愛を通して描いているが結局のところ変化の本質が成長だったのか結末を見てもいまいちわからない。成長というより元から我慢していた欲望を解放しただけにも見える。
・肉体的な痛みを感じない事と時間が止まっている事との因果関係がわからない。登場人物の変化の象徴が心に恋の痛みを感じる事として度々描かれているが睦実が最後に生きる実感を得たのは心の痛みではなく額からの流血による痛みだった。そこは精神的な痛みと肉体的な痛みの繋がりをもっと巧みに描けなかったのか。五実は終始心の痛みを描いていたので最後はシンクロして欲しかったかも。
・時間や季節が止まっているとはいいつつも作中では10年間ほど製鉄所を人の手で動かしていないから動かないかもというような発言をしていたり時間が止まっているのか動いているのかよくわからない。
・登場人物の内面は思春期の心の機微で描かれているが彼らが起こす行動は突飛で乱暴な物も多く結果として繊細に見えない。不器用というより癇癪や奇行に見える事も多い。
・変化を拒み若者を押さえつける大人の象徴として佐上を描いたのだろうが、彼が変化を拒む理由やきっかけが明記されていない。過去に神の真実に迫ろうとしたり抵抗したことで佐上の友人や仲間が消されたので彼は変化を拒むようになったとか説得力を持たせて欲しい。
・ラジオのパーソナリティーになりたがっていた主人公の友人が消える演出がやや唐突。
・主人公の母と叔父の関係性が描ききれてない。母にもう少し名ゼリフや活躍する場面を与えても良かったのでは。
・五実が現実世界から消えたきっかけが種明かしにしては弱い。ただ夏祭りで親に駄々をこねて放置された結果だった。
・後半で登場する夏祭りのおもちゃはキーアイテムっぽく出てくるがもう少し役割があって欲しかった。映画のラストカットで成長した五実が握りしめていたりとか物語の前半で彼女がそれに似たアイテムに何故か興味を示しその事を正宗が不思議に思うとか。何か夏祭りを示唆する伏線が前半からあっても良かったのでは。
・前半の正宗はいまいち世界に馴染めていない雰囲気に見えるけど友人たちと痛みを感じる遊びで生きる実感を得ていたり寂しさの描き方がぼんやりしている。彼は親にも頼らない性格だからクラスメイトとも距離があった方が自然だったのでは。
・改善策として製鉄所の爆発事故が起きる前の日常をもう少し冒頭や中盤の映像で描くべきだった。そうする事で主人公の家族と叔父、睦実、クラスメイトなども掘り下げれたのでは。
・これらの欠点が美麗な美術、壮大な音楽、後半の展開の勢いで解決しているように見えるが振り返ると粗が目立つ。
散々脚本については指摘したが個人的にはとても好きな映画でありこの作品が劣っていようとも代わりがいないのは明白。わからない事が心地よい自分には終始笑みが止まらない作品だった。奥ゆかしい難解さと説明不足による難解さは混在していたように思えたが。この世界観と睦実というヒロインに出会えた事が何より嬉しい。地獄を見た人間に見透かしたような態度を取れる女に出会ってみたいと常思っていた。十代の恋愛模様とは常未熟で恋愛の域を出ず深くなりにくい題材。それを繰り返される14歳の冬という設定により複雑化させたというのが何よりの功績。
岡田麿里監督の長編2作目。有名な映画2本で脚本、監督をされたので絶対面白いだろうなと。100点期待して行ったら120点でした。公開日なのであまり書かないように朝こう言う映画見ると最高の気分で一日が始まります。金曜日が一番好き、映画公開するので。
試写会で鑑賞。(先行試写バージョンということで、本編とは少し異なる部分があるようです)
中二病のノリが苦手な人にはあまりお勧めしない。
唐突に感じる進行が多い。気持ちの変化にもついていけなかった。
普通スルーしない?なんか怖いなって人にかかわりたくないよね?って思っちゃう。
陰キャっぽい見た目でやってること陽キャでなんかやだなって思っちゃった。
終始「意味が分からない+(主人公やヒロインに)イライラ+やっぱり意味がわからない」がつまった作品だった。
タイトルも最後まで意味が分からなかった。
映像美を見に行くためなら行ってもいいと思うけどいい気持ちになる映画ではない。
面白かったね!ってなる映画ではない。無言で帰宅する映画。
泣けるわけでもない。ホラーなわけでもない。サスペンスというわけでもない。素敵な恋愛映画というわけでもない。
鬱映画だろうなと思ったら完全な鬱というわけでもなく。モヤモヤした気持ちになる映画だった。
クリエーターさんとか作家さんとかどっぷり世界観に浸れる人にはいいかもしれないです。
ストーリーの題材自体はいいと思って、時代に留まる人と前へ進む人の比較、衝突、絆のテーマは繊細に描写された。ですが、さすがに岡田監督らしいというか、複雑な絡み合う感情を含めて、表現したい要素が少し多すぎると感じて、逆に重点に伝えたいことに配る時間は少なくなって、故に最後の泣くシーンも、なんとなく理解できましたけど、泣けなかった。
少し惜しいと思って、ストーリーと脚本、テンポなどの要素を考えて、3.5と評価して、横山さんの音楽はいろんなシーンをさらに表現力を高めるので感服だと思って、結局4とレビューします。
最後まで見終わると、何故かこの作品は秋に似合うと思いました。