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見知らぬ乗客 Comments (12)
ミリアムの殺害を即座に実行したブルーノが様々な手段でガイを精神的に追い詰めていく姿を描いた狂気の傑作。
1951年の作品ながらおよそ初と言えるであろうサイコパス的人物を描いた作品。
異常な行動力と判断力、驚異の手際の良さでミリアムを殺害したのちに、次は君の番だとさも当たり前のように列車で交わした約束、ブルーノの父親の殺害実行をガイに迫るブルーノの姿は非常に腹立たしくもあり、図々しいを通り越して恐怖すら感じるモノだった。
テニスのツアー中のガイの行く先々に出没するストーカー行為、隙あらば話しかけたり、仕舞いにはガイの親族や周囲の人間と打ち解けだす大胆さで一口に失せろと咎めても全く動じない行動力に背筋が凍った。
なんと言ってもブルーノ役のロバートウォーカーの演技が怖すぎる笑。
残念ながら今作を撮影後に亡くなってしまったそうだがまさに生涯の代表作と言っても過言ではない作品と言える。
モノクロの映像も相まって怖さは倍増。
ガイの再婚予定の相手、アンモートンの鋭さと理解力、ガイを想う気持ちに全て救われたが、1対1の心理、論理戦でまず敵う相手ではない気がする。
是非鑑賞して頂き、ある意味最強キャラ、ブルーノアントニーに怯え、イライラして欲しい笑。
名シーンはテニスのラリーシーン。
あの恐怖をワンショットで作りだす、すごさたるや。
そしてこの男も、母親に支配され、父親にはネグレクトされている。
笑顔で普通じゃないことをして、徐々に近づいてくるあの感じは恐怖でしかないよね。
終わり方は雑だった気がしなくもないけど、
本当にリアルタイムのラブトレインを使った事件が観れるのは貴重だった。
交換殺人を切り出されたガイは一笑に付す・・・というか、陰険そうで勝手に話を進めるブルーノには嫌気さえ覚えてた。そのブルーノはガイの承諾も契約も一切ないのに、遊園地で男友達と楽しむミリアムを絞殺してしまったのだ。ミリアムとガイの仲は修復しがたいもの。なにしろ、尻軽女で夫以外の男の子を宿していたのだ!そうした事情をブルーノはなぜか詳細に知っていたことも不気味な設定だ。
交換殺人が完全犯罪となりうるためには互いに全く赤の他人であることや、動機が全くないこと以外に、完全なアリバイがなければ成立しない。この物語においては、勝手にブルーノが行動に移し、ガイの側にアリバイがあるかといえば、不完全そのもの。アンにせよ、上院議員にせよ、アンの妹バーバラ(パトリシア・ヒッチコック)までもが喜んではいたものの、ガイには常に張り込みがつくほどだった。そんなガイのもとに、ブルーノからターゲットである父親の滞在先の見取り図、鍵、さらに拳銃が送られてくる・・・「早く俺の父を殺せ」と脅迫されているのだ。さらにブルーノはテニス試合会場やパーティに現れ、じわじわと周囲の人間にも接近してくる。やがてアンは彼の異常さに気づいたため、ガイは真実を話し始める。しかし、このままでは警察に話したところで単に委託殺人だとされてしまうのだ。
ガイは直接ブルーノの父親に告白するため深夜に邸宅に赴くが、そこにいたのはブルーノ本人だった。「君は約束を守る気はないんだな?」と、逆にブルーノをキレさせてしまう。アンも直接懇願するも、証拠品となる彼のライターを現場に置いてくるぞ!と、ガイを真犯人にすると脅迫される。
クライマックスはライターを殺害現場に置きに行こうとするブルーノと、試合を棄権すれば疑われるガイが試合を終わらせてブルーノを追おうとするシーンを交互に描く。ライターごときで犯人が間違われるわけないだろうと、話が安っぽい方向に向うのだが、メリーゴーランドが制御できなくなりパニックとなるディザスター描写が凄い。執拗な異常者と、いかに相手の脅迫をくいとめようとする純朴なテニスプレーヤーの心理が面白い。“A to G”と彫られたライターと、ブルーノの名が刺繍されているネクタイ。小物もさすがだし、ウッドベースを持って列車に乗り込むヒッチコック監督がいい。
通勤時間を活用して、ポータブルDVDプレイヤーを使っての地下鉄内鑑賞にいそしんでいます。
分割しての鑑賞であるため、感想文も分割となっています。
第1回目
「裏切られるかも?」 という心持ちです。
「交換殺人」という言葉が出て来た序盤は、どのようにしてブルーノはこの 「交換殺人」 をガイに承服させるのか?
どんな知的駆け引きで、ブルーノの思惑に屈服させるのか?
と、この悪役の弁舌さわやかな能力に、映画の行く先を託したのですが、
あれ!? 「交換殺人」 の契約調印も成されない内にガイの奥さんをブルーノは殺してしまいました。
なぜだ?
と思いました。が、きっとこの殺人を交渉ネタにブルーノは緻密な知能戦や、実力行使をも含めて、
「交換殺人」 を拒めない状況に追い込んでいくはず、息を呑む攻防が繰り広げられるはず、と思い込んでいたら、
「早く親父を殺してくれっ!」 と言わんばかりに、家の見取り図と拳銃を送りつけ、ストーカーのようにつきまとうだけなのです。
昨今の2時間サスペンスドラマに慣れている身としては、「何の精神的圧迫にもなって無いじゃん!」 と
不満が噴出。
心理的駆け引きが希薄であることが露呈するにつれ、1番最初の言葉
「裏切られるかも?」 という不安に苛まされているのです。
一縷の望みとしては、ブルーノが殺したガイの奥さんはメガネを掛けていたのですが、同じようにメガネを掛けている女の子に対し、フェチ的傾向? が見受けられるので、異常者としての知的な展開が難しいのなら、「殺人を犯した」 ことによるフェチ的嗜好性を思う存分、発揮してほしいなと思うだけです。
(せいぜい) がんばれブルーノ!!
第2回目
見事に 「裏切られました!」
ブルーノの知的方向への停滞は予測通りでしたが、クライマックスのメリーゴーランドでのシークエンスは実に素晴らしく、この映画に対する 「無理かな?」 と思われていた大方の世論を見事に 「裏切って」 くれたのでした。
そもそも、オープニングの車内シーンが非常に素晴らしく、これから始まる 「交換殺人」 というトリッキーなサスペンスに相応しい高貴さを持ち、ブルーノがあたかも上級犯罪人であるかのような幻想を見せてしまったのです。まーこれがそもそもの誤解の元凶ではあるのですが.....。
結局ブルーノは 「小悪党」 の領域を超えることはなく、心地よい迷宮など、望むべくも無かったわけです。そんな諦めムードにあの
メリーゴーランド攻撃。
一度、侮った相手からの、いきなりのカウンターパンチであったわけです。
冷静になって考察すると、ブルーノが犯した早すぎる殺人が、「遊園地」 において行われたところから、このうれしい 「裏切り」 が 始まっていたのですね。
「 楽しい ・ うれしい 」
という気持ちを共鳴させる象徴的な場所での、殺人という極北の行為から始まり、その現場にあるメリーゴーランドという、「楽しい・うれしい」
を共鳴させる装置が、一発の銃弾で、
恐怖の拷問器具
へと豹変する様は、日常や常識の中に、表裏一体となって潜んでいる、「恐怖・危険」 を端的に表していたのです。
えっ!
「日常に潜む恐怖」 ですって?
ということは.............
ブルーノはほどほどの小悪党でちょうど良かったのでは?、と唐突に思い返してしまいました。
ブルーノというどこにでもいるような、ほどほどの小悪党が、ガイとの偶然の出会いを契機に、ストーカー的な、執拗で常識を超えた関わり合いを、憑り付かれるようにエスカレートさせてしまった、という映画だと思えばよいのでしょうか?
これって.........、
かもね...........。
車内分割感想文はこちら
↓
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