This site is a comprehensive movie website about movie posters, trailers, film reviews, news, reviews. We provide the latest and best movies and online film reviews, business cooperation or suggestions, please email us. (Copyright © 2017 - 2020 920MI)。EMAIL
モスラ(1961) Comments (7)
モスラは蛾のお化けだが、テレパシーで交信する小美人のザ・ピーナッツが懐かしい。
最終決戦場となるロリシカ国のモデルはキングコングを殺したアメリカ。
とてもよく出来ていて、大人も楽しめる。
DVDで鑑賞。
巨大蛾怪獣モスラのデビュー作!
全世界同時公開を目指しての作品づくりだったからか、東宝特撮作品においてこれまでは隠し味のように作中に秘められていた要素である“南海”のテイストを全面に押し出し、全編に渡って極彩色に彩られた絢爛豪華な物語が展開されました。
このモチーフは後の「キングコング対ゴジラ」やモスラが登場する諸作品、「マタンゴ」などに受け継がれて、東宝特撮作品のスタンダードのひとつとなっていきました。南海の島々や自然などが醸し出す神秘さと未知のものへの畏怖のような感情が、人々の興味を駆り立てる要素なのかもしれませんねぇ…。
人間の愚かさやエゴを抉り出す特撮作品ならではのテーマを扱いながら、陸・海・空を三段変化を遂げながら縦横無尽に進撃するモスラの猛威を迫力のスペクタクルシーンで描いていました。しなりが見事な羽ばたきによって舞い上がる屋根や街路樹、戦車に人、倒壊するビル群…シネスコ画面いっぱいに展開されて大興奮! マネキンが並ぶショーウィンドウに突っ込む自動車など、芸の細かさが炸裂しておりました!
モスラの行動理由が、ゴジラのような単なる破壊目的ではなく、悪徳興行師ネルソンに連れ去られた小美人の救出であると云う点が当時としては斬新だったのではないでしょうか?
その行動故にもたらされる徹底的な破壊は人類の自業自得とも取れるもので、何も言えなくなりました…。ネルソンが傲慢の果てに銃弾に倒れるシーンで溜飲が下がりました。
――
特撮ファン目線で特筆すべき点と云えば、特撮作品で初めて東京タワーが破壊されたことと、メーサー戦車の原点“原子熱戦砲”が登場したことでしょう!
幼虫のまま東京を蹂躙したモスラが、繭をつくるために東京タワーをへし折りました。ナイトシーンなので、街灯りの仄かさがとても幻想的な雰囲気を演出しているところがミソ。
極端な爆破演出を避けて、モスラが吐いた糸に当たって墜落した自衛隊のヘリが起こす火災が静かに燃え広がっていく様子が、まるでモスラの変態を祝福する火のダンスのようで、本作は他の特撮映画とは異質だな思いました。
当時は高層ビルなんて無くて、東京タワーだけが屹立している風景に時代を感じました…。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズみたいなノスタルジーに浸りました(笑)
モスラの繭を攻撃するために、ロリシカ国が貸与した“原子熱戦砲”が登場。光線の光度が高いために、攻撃時にはサングラスを掛けなければいけないという描写がリアルでした。
機龍二部作の“東宝特撮ユニバース”では、“メーサー殺獣光線車”開発の元になった兵器として設定されていました。それにしても、“パラボラ兵器”ってなんでこんなにカッコいいんだろう。攻撃シーンに心が高ぶるのはオタクの性?(笑)
――
ドラマ部分では、何を差し置いても主演のフランキー堺が最高! “スッポンのゼンちゃん”の異名を取る新聞記者を熱演。喜劇役者ならではのコミカルさと、演技派の重厚さを兼ね備えた稀有な俳優さんだよなぁ、と思いました。
特撮ファンとしては、小泉博演じる中條博士に目を向けるべきでしょう! 本作の続編の形を取っている「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」でも同役で出演していました。
小美人を演じたザ・ピーナッツも忘れ難い。美しい双子姉妹デュオが奏でる「モスラの歌」が秀逸。個人的に彼女たちの歌う「モスラの歌」がいちばん上手いと思うなぁ…。モスラの巫女でありながら人類のエゴのために酷い目にあってしまう彼女たちの姿に、南海の原住民の歴史を垣間見たようでした…。
――
母性の象徴としてのモスラの登場は、当時の東宝特撮の一大イベントであり、新たな機軸を打ち出すことに成功したのだなと思いました。その後、ゴジラと人気を二分するキャラクターに成長していることがその証明でしょう!
※追記(2019/06/02)
「GODZILLA ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の興奮冷めやらぬ中「空の大怪獣ラドン」を観たので、自然と本作を観返す流れになるのはもはや当然の帰結でした!(笑)
同作では徹底的に“女王”のような描かれ方がされていましたが、本作ではそこまででは無いものの多分に女性的な要素を全面に押し出した描写となっているなと改めて感じました。
※鑑賞記録
2019/06/02:DVD(6回目)
2020/10/16:Blu-ray
あと、撮影場所が日本からNYなのが、ありえねー
『ゴジラ』も『空の大怪獣ラドン』もシリアスな作風だが、『モスラ』は怪獣映画にファンタジー風味をプラス。
怪獣でありながら平和の守護神であったり、身長30cmの小美人の登場(ザ・ピーナッツがハマり役)など、他の怪獣映画には無い魅力。
卵〜幼虫〜繭〜成虫と変化し、特に東京タワーに作った繭から孵るシーンは、東宝特撮永遠の名シーン。
ドラマ部分では人間の愚かさが際立つ。小美人を使って一獲千金を目論むネルソンがそれだ。
(勿論、フランキー堺、小泉博、香川京子の主役3人は善人だが)
欲望の赴くままに行動し、やがて自ら身を滅ぼす。
怪獣映画だからと言って侮れない教訓だ。
平和の守護神でもやはり怪獣、その巨体が動くだけで町は大パニック。目的は破壊ではなく、小美人の救出。
洋上の進撃、ダムからの出現、町中の蹂躙…怪獣映画の醍醐味は健在。
常連・伊福部昭とは違う古関裕而によるドラマチックな音楽も注目。
有名な“モスラの歌”共々、東宝特撮怪獣映画の中でも忘れがたい名作。
この物語の骨格を巧みに翻案してあります
日米合作で全世界同時公開という当時としても現代に於いては考えもできない程のスケールの製作公開規模です
当時、東宝特撮が世界の注目を集める強力なコンテンツ力を持っていたことが伺えます
つまり世界最高峰の特撮スタジオである証明です
米国側のパートナーはコロンビア
RKOは既に倒産しておりキングコングの版権をどこが持っていたのか定かではありません
コロンビアであったのかも知れません
でなければ、全世界同時公開ですから、絶対キングコングが原案だとどこかから指摘されたはずです
本作の日米合作の時にキングコングの版権を東宝は買っていたのか、やはり後から指摘をうけてライセンスを買ったものかは分かりません
いずれにしても東宝はキングコングのライセンスを莫大な金額であっても買っています
だから、それならいっそのことキングコングそのものを作ろうとなったのか、東宝でキングコング登場作品が本作の後に2作製作されたという流れのようです
ザ・ピーナッツのモスラの歌はとにかく最高でこれがもしなければ本作がここまでヒットしなかったかも知れません
特撮は芸の細かい演出が多く見応えがあります
今回改めて発見したのは、吹き飛ばされたジープが橋と共に川を跨ぐ太い水道管にぶつかっていくのですが、ぶつかってからそこから水が激しく吹き出し始めるめていることです
あまりのことに口があんぐりしました
クライマックスのニューカークシティ編は日米合作の契約事項であったにも関わらず、予算とスケジュール超過で日本側が勝手にカットして日本編で完結させようとしたことでクレームが当然つき、急遽追加したものとのことです
なのでクォリティーが一段落ちるのは惜しいです
これをもっと最初から最大の見せ場として、予算も時間も全力を傾けて撮影していれば、このあとの東宝特撮の世界展開も違ったものになっていたであろうと思います
重ね重ね惜しいことをしたものです
改めてみてシン・ゴジラに大きな影響を与えていることが分かりました
モスラの形態変化、防衛隊の多摩川での特車(戦車)部隊の防衛線形成、米軍の介入(原子熱線砲)
これらは皆本作から由来してそれぞれ反映されています
キングコングこそは、ありとあらゆる怪獣映画の始祖です
このジャンルで儲けさせて貰っているのですから、キチンとライセンスも払って原作の優れた翻案を製作したということは素晴らしいことだったと思います