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悪夢探偵 Comments (8)
悪夢探偵と呼ばれている影沼(松田龍平)がヒーローとして活躍してくれるのならば安心して観ていられることもできたでしょう。しかし、なにしろ彼は自殺志願者だったり、他人の夢の中は怖いから入りたくないのだとも言う。そうした頼りなさがまた恐怖心を倍増する。ヒロインであるhitomiも警察ではキャリア組で実戦には弱そうだし、大杉漣の刑事も頼りないし、頼れそうな安藤政信は真っ先に殺されてしまうし・・・こうした全ての設定が観客をも絶望感に導いてくれるという徹底ぶりなのです。
ストーリーは単純ながらも、なぜ死にたいと一度でも思ったことのある者が狙われるのか。幼少時のトラウマが残る者や生きる勇気を失いかけたときに忍び寄る悪夢。人間本来の弱さを突いてくる恐怖に対していかにして立ち向かうのか。眠気も忍び寄ってくるのですが、色々と後から考えてしまうほど、ドライブ感たっぷりの塚本流ホラーを堪能いたしました。
映像も『六月の蛇』のようにブルーがかった夢の部分が印象に残るし、『ヴィタール』のようにグロいシーンも健在だった。欲を言えばきりがないけど、警察の描写や脚本は刑事ものを見慣れていると物足りないと感じるかもしれません。
可愛くてスタイル抜群だけど刑事に見えないのがとても残念。
謎の連続猟奇事件が発生。共通しているのは、被害者が自身で身体を切り刻み、夢を見ながら死亡。死の間際、誰かと話した携帯電話の発信記録“0”…。
事件を解く鍵は夢にあると推測した女刑事・慶子は、人の夢の中に入る事が出来る特殊能力を持つ“悪夢探偵”こと影沼の存在を知る…。
始まりは奇っ怪なJホラー風。
まるで『エルム街の悪夢』のような、眠ると死ぬという恐怖…。
異色のダークキャラの活躍と、女刑事との事件捜査。
捜査上に浮かんだ一人の男…。
カルト的な人気が多い塚本作品の中で、最もエンタメ度が高いのではなかろうか。
勿論、現実か夢か予測不可能の世界観、斬新な映像センス、内臓グチャグチャ飛び出しのグロ描写…塚本作品らしさも。
塚本風エンタメ作。
親父が“探偵物語”なら、息子は“悪夢探偵物語”。
狙ったキャスティングか否かはさておき、ピタリとハマった松田龍平の独特な個性×異色キャラ!
故・大杉漣のセクハラ紛いの先輩刑事、悪夢探偵と対する役柄で監督もいつもながらの怪演。
慶子役のhitomi。あんな色っぽい刑事おらんやろ!…とツッコまずにはいられないが、それ以上に、色々言われてるようだが、演技力…。その美貌だけでも拝んでおきましょう。
人の悪夢を見、自分自身も傷付き苦しむ。人知れず抱えている幼少時のトラウマ…。
確かに、あ~イヤだイヤだイヤだ!…と言いたくなるのも無理はない。
でも、塚本作品で初めて続編が作られたくらい面白味のあるキャラ。
ゆっくり寝て、駅前の美味しいラーメン食べて、次の依頼を!