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夢 Comments (19)
だいたい実生活でも他人の見た夢の話を8本も立て続けに聞かされるのは、誰だって嫌気が差してくるでしょう。
しかもその全ての夢の話には[オチ]がないのです、怖ッ!
こんな夢をみた…と繰り返される幻想的な世界は次々と時代やジャンルを変えていく。
小学生だったので理解力に乏しく且つ飽きっぽかったはずなのに、「なんだこれ?」とただただ見続けたのが思い出深い。
黒澤明監督自身が見た夢をベースに、現実社会へのメッセージや人間讃歌の想いを籠めて映像化した8個の短編から成るオムニバス作品。
日本の美しい風景、独特な色合いの美術セットと衣装、そして摩訶不思議な物語が渾然一体となって、まるで芸術的な絵画のようだなと思いました。
感覚が常人と違えば見る夢も違うんですねぇ…。しかし、これまでの監督の人生を俯瞰しながら、悩み、気付き、戦って来たことの全てが凝縮されている印象でした。
オムニバスではあるけれども、各話の主人公、もしくは主人公が出会う人物の年齢がどんどん上がっていくのは、監督自身の心境の変化だったり考え方の変遷を見ているように感じました。人生の覚え書き、みたいな…。
スティーブン・スピルバーグがプロデュースし、ワーナー・ブラザーズが配給していることに注目。
世界に認められ、数々の名作を生み出して来たにも関わらず、日本での映画製作がままならなくなっていた黒澤監督。
監督の作家性を重視した作品よりも、商業的に価値があるかどうかを重視する風潮が災いしてのことでした。
自国の映画会社がお金を出してくれないという晩年の巨匠の状況を知り、胸が痛みました…。